国家資格の介護福祉士を取得するためのルート

国家資格の介護福祉士はやや難度が高めですが、介護の現場で求められる知識、スキルを習得していることを証明してくれます。

介護職として働く上で役立ってくれるので、ハードルは高いものの、ぜひとも取得しておきたいところです。しかし、介護福祉士の国家試験を受験するためには、まず受験資格を得る必要があるため、いきなり挑戦することはできません。介護福祉士の受験資格を得るためのルートは3つあります。

1つ目は福祉系高校ルートと呼ばれる、福祉系高校、福祉系特例高等学校を卒業した人向けのルートです。福祉系高校卒業の場合は無条件で、福祉系特例高等学校卒業の場合は9ヶ月以上の実務を経験することで、介護福祉士の受験資格を得られます。2つ目は、介護福祉士の取得を目指すための介護福祉士養成施設に入学し、専門的な知識を学ぶ養成施設ルートです。介護福祉士養成施設とは、厚生労働省の指定を受けている4年制大学の福祉学科や、福祉の専門学校などのことで、これらの学校を卒業することで介護福祉士の受験資格を得られます。3つ目は、実際に介護の現場で働きながら受験資格を得ることを目指す実務経験ルートで、従業期間3年、従事日数540日に加えて介護福祉士実務者研修の修了が必須です。

いずれのルートも勉強、あるいは実務に継続的に取り組む必要があり、受験資格を得ることは簡単ではありません。介護未経験の人が介護福祉士の資格取得を目指す場合、介護福祉士養成施設である専門学校に入学して学ぶか、実務の経験を積みながら学ぶのが基本です。

資格は介護業界での昇給や昇進に好影響を与える

高齢化社会に向けて介護保険制度や介護施設などが普及しつつありますが、まだまだ介護業界の人材不足の問題は続いています。

資格を有する職種については、どこの施設でも需要が高いため、常に求人募集が行なわれているのが現状です。そのため、他の業界に比べて就職先が見つけやすいと言われていますが、より自分に合った職場を選択するためには、介護職としてのキャリアを積んでおくほうが良いでしょう。

キャリアアップの第一歩に最適なのが、介護職員初任者研修の受講です。介護職員初任者研修を終了すれば、在宅で生活している要介護者の自宅を訪問し入浴や食事などの介助や家事などの生活援助の実務に携われるようになります。また、その1つ上の資格である介護職員実務者研修を受講すれば、介護実務の他に医療ケアも学べるので、ゆくゆくはサービス提供責任者として仕事に就くことも可能になります。

さらに、現場で3年以上の実務経験を積むと、今度は上級資格である介護福祉士の資格へ挑戦することができます。これに合格することにより、訪問介護事業所で管理職になれることの他、生活指導員や新人介護士の育成などにも携われるようになります。しかも、介護福祉士として5年以上の実務経験を積むと、介護職の最高峰であるケアマネージャーの資格取得も夢ではなくなります。

介護福祉士やケアマネージャーは、いずれも難易度の非常に高い試験であるため、独学よりは自分のライフスタイルに合った、通信型や通学型の講座を受講する方が望ましく、仕事との両立は容易ではありませんが、取得しておくと給与アップや昇進にいい影響を与えてくれるはずです。